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初陣のこと。

※一族語りと妄想です。

丹珠ちゃんの初陣話

tanntan.jpg


見ているだけでいいと父上が言った。
私たちが守ると当主様が言った。

それでも緊張していた。

まだ目的地の大江山にだって着いていないのに呼吸が整わず、足取りが重い。

なんて不甲斐ないんだろう・・・・・・。

今すぐにでも逃げ出して仕舞いたい。
さっきからそんなことばかり考えていた。

「着いたぞ」

父が言って視線を上げた。

「あ・・・・・・」

なんて、なんて綺麗。

これから鬼切りなんてするのでなければいつまでも見ていたいくらいだ。

大丈夫だ、あんなに訓練したんだもの。

そう意気込んで足を踏み入れたとき、

「やあ」

心臓がはねた。

声のさきを見るとそこには赤い髪の少年がいた。

これが鬼なのかと思ったが、ほかの皆は武器を構えていない。知り合いだろうか。
でも普通の人間とは様子が違うようだった。

だって体の向こうから景色が透けて見えている。

そして少年は語りだした。

自分も鬼から呪いを受けていて死ねない体だということ。

同じ様に呪われていても私たちには家族がいるから羨ましいということ。

生き別れのお姉さんがいること。

もし呪いが解けたら探しに行きたいということ。


それだけ言うとどこかに姿を消してしまった。

私は父にさっきの少年の事を訪ねた。

「奴は神の使いで、俺たち一族に助言をするように言いつけられているらしい。さっきのように関係ない身の上話をされることもあるがな」

と、父が言った。

神様の使い。
私たちに助言してくれる。
そして、彼も呪われている。

「朱点童子を討てば、さっきの方も救われるのですか?」

私は父に聞いた。

「ああ、そうかもな」

そう言って父は足早に鬼の巣窟へと足を踏み入れた。

置いて行かれないように私も後に続いた。

はやく強くなるんだ。

一族のために。

そしてさっきの少年のために。

ひとりぼっちだと言っていた。

寂しいと言っていた、私と同じ髪の色のあの少年の為にも。

心臓の鼓動が高鳴っているのを感じる。

緊張とはまた違う、何故だか心地よい何かに体が支配されていた。




私がその感情の名前を知るのはまだまだ先の話だ。










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ジャンル : ゲーム

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非公開コメント

こんばんは。水月です。
素敵絵とプレイログ、楽しく拝見しました!

黄川人への仄かな想いを抱く丹珠ちゃん……!

このあと大江山でのあれやこれやがあるのかと思うとドキドキします。というか切ないです。
ひっそりと、ご一族の行く末を見守らせていただきますね。

Re: タイトルなし

>水月さん
見ていただきありがとうございます

これからの展開も書いていきたいなーと考えているのでもしよかったらこれからも生暖かく見守ってくださると嬉しいですw
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